電子蜃気楼
好きだと言う
君の声が聞きたくて
僕はとりとめのない話を
四角い電子機器に向かって
必死に話す
君はただ
ケラケラ笑うだけ
笑う君の
闇には気付かずに
僕は僕を必死だった
笑う君の
向こう側
君は
それでも
僕を笑ってくれた
僕は僕しか
見えてなくて
僕は君ほど汚れてなく
君は僕ほど清らかではなかった
電子機器は
そんな事はお構い無しに
君の本当を
電子音に変えて
僕はそれを
使いこなせてるつもりでいて
君の本当の声が
どんなんだか
わからなくなってた。
作り上げられた
イメージの君に
僕は夢中になってた。
肝心な時に
電子機器はフリーズし
僕を試す
君はいつだって
君を
発信していたのに。
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